目 的 編

山は見えるか?
チベット全体が海抜4000m級なので、日本では絶対見られない5000m以上の山がすぐそこにあります。少し時間があれば、チョモランマ(エベレスト)のベースキャンプまで入れます。
山を見るなら、7〜8月の雲の多い時期は避けたほうがよいでしょう。
本格的な登山のためには特別の許可が必要です。

トレッキングはできる?
できますが、まだ歴史が浅いので、ネパールのように至れりつくせりというわけにはいきません。ごく一部のポピュラーなトレッキングコースを除けば、トレッカーのための山小屋なんてないので、基本的にはテントや食料は持参。“Trekking in Tibet”(Gary McCue) という本に詳しく載っています。

自然は美しいか?
それは、もう。
風景については、テレビでよくやっているので今さら書く必要はないでしょう。
しいて書くとすれば、どぎつい太陽光線と空の低さ、やたらと深い空の青さ、それらがつくりだす、陰影のコントラストの強さ。ステキです。

珍しい動物・植物はたくさん見られるか?
テレビで取り上げられるような稀少動物は、やたらと人前に姿を現すものではありません。もし狙っているのなら、時間をかけて、無人に近い平原に車を走らせることが必要になるでしょう。

植物については、当然、高山植物がたくさん見られます。

草原で馬に乗れるか?
もちろん可能ですが、馬に乗るのだけが目的なら、モンゴルのほうがいいかも。

チャリダーなのですが。
ごくろうさまです(笑)。サイクリストはチベットでも活躍しています。定番「ラサ−カトマンドゥ」ルートは、常識的な装備さえしっかりしていれば、大丈夫のようです。自転車用マップも出ています。

人々との触れあいは可能か?
特に現地の人々との接触が制限されているようなことは普通はありません。ただ、見張られていることは、たまにあります。街中では隣組的相互監視体勢が生きています。絶っ対に安全なケースを除いては、政治的な話題(ダライ・ラマの話とか)は避けましょう。

写真は撮れるか
観光地や寺院などでは撮影の制限はありますが、基本的には問題ありません。チベットはすばらしい被写体に満ちています。普通の人もわりと撮られ好きだと思います。

ジャーナリスティックな写真を狙う場合、そのフィルムが当局に没収されたときのことを考えて自分で責任をとれるかどうか覚悟を決めたうえで撮ったほうがよいでしょう。

カイラスに行けるか?
カイラスというのは、西チベットにそびえる聖山のことです。
もちろん行けますが、時間がかかります。ラサからカイラスに行って帰ってくるだけで最低2週間はみておいたほうがいいでしょう。そんなに急いで行くところでもないでしょうが。日本からのパッケージ・ツアーもあります。

ダライ・ラマに会えるか?
ダライ・ラマ法王はチベットにはいませんよ。
北インドのダラムサラという街に亡命中です。

聖人に会えるか?
例えばインドのサイババや、地面に逆さまに埋まって修行をしているサドゥのようなパフォーマンス性あふれる楽しい行者を期待しているとしたら、大ハズレです。

僧院に行けば、トゥルク(転生活仏)やリンポチェ(高僧)がいますが、毎日地道に読経をし、問答をやっているだけです。洞窟にこもったりしている、いかにも行者っぽい行者も確かにいます。会いに行くなら修行の邪魔をしないように気をつけましょう。

僧院でチベット仏教の瞑想修行ができるか?
ほとんど無理。

チベット仏教を学ぶには、まず適切な師につかねばならないとされていますが、1950年代に中国軍が攻めてきたときに、多くの高僧がインドなどへ亡命してしまいました。チベット仏教を学ぶのなら、これらの僧を尋ねたほうがよいでしょう。インドやネパール、そして日本など、仏教センターはいくらでもありますし、外国人を指導するノウハウも整っています。

チベット本土に優れた僧がいないわけではありませんが、僧院に定員が決められており、すでにどこも定員オーバーしています。また、ビザの問題などもあり、公式に外国人を受け入れることはないでしょう。

ナイトライフはエンジョイできるか?
もちろん。
トラディショナルなドブロクを飲ませる飲み屋、チベット風ディスコ“ナンマ”などなど、健全なものから不健全なものまで、各種取り揃えてお待ち申し上げております。

中国のチベット支配を助長することにならないか?
Qの意味自体がわからない方が多いと思います。

1)中国の「支配下」にあるチベットに行く、つまり中国のビサを取って、中国の飛行機や中国が整備した道路を通ってチベットに行く、ということ自体が、現在の中国のチベット「支配」を暗黙のうちに認めることになるんではないか?
2)中国は、外国人観光客が多数チベットを訪れている事実を、「安定したチベット」を対外的に印象づけるプロパガンダの材料として使っている。これを利するのか?
3)チベットには中国人が大量に入植しており、旅行ガイド、ホテル従業員を始め、商店やレストラン経営等を行なっている。チベット旅行といっても、結局こういう中国人たちを経済的に利するだけで、チベット人のためにはならないのではないか?
------ということで、チベット本土を訪れることをあえて拒否する考え方があります。

こういうホームページを作ってること自体、この考えを採っていない証拠なのですが、その理由をあげておきます。

1)やっぱ本土が好き(笑)。本土でなければ味わえない空気というものがあります。
2)外国人が多くチベットにいれば、中国当局もやたらなことはできない。やるときはやるけど。
3)いくら中国人が多いとはいえ、チベット人が経営する企業も多いし、働いているチベット人も多い。外国人が多く入ることによって、観光業全体が潤い、多くのチベット人雇用を生み出しているのは事実。観光業はチベット最大の産業と言って間違いありません。
4)チベット人は中国官製以外の情報を知りたがっている。
5)ジャーナリストやマスコミは当局の「招待」以外でチベットを訪れることはできない。訪れたにしても、監視・恣意的通訳付きの取材である。フリーの外国人旅行者の自由な立場で得た体験は情報源として有用であり、国際社会にチベットの現実を伝えるものになりえる(かも)。

【チベット旅行の基礎知識】