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哀愁の出稼ぎ中国人
(1994年@カム・チャムド)

チベットの街には大量の中国人が入植している。
中国は、給料や税金面での優遇を餌に、
チベットへの「出稼ぎ」を政策として奨励しているのだ。
* * *
「チベット人はほんとに怖い」。
四川省から来て小さな餃子屋を営む男が真顔で言った。
「言葉が通じないと怒ってナイフを振り回す。
 食事が不味いと言って金を払わない…」
2年間チャムドで暮らすうちに、
必要にかられてチベット語も少し覚えた。

妻と子を連れての出稼ぎも、もうすぐ終わり。子どもが学校に上がるからだ。
「今度の春節には故郷に帰れる。もう戻って来ない。
 子どもは“内地”の学校にやりたいから。」
彼は記念に、チベット人がよく持っているナイフ(ティ)を僕にくれた。
「“中国”旅行の記念に!」と言って。

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