一口にチベットといっても、あまりに広く、各地で風俗も気質も違います。
特定の地域を取り扱ったものを紹介します。
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 カム(東チベット)

『活きている文化遺産デルゲパルカン―チベット大蔵経木版印刷所の歴史と現在』
池田 巧・山中 勝次・中西 純一/著
明石書店 ISBN4750317535 2003/07
デルゲ(四川省徳格)にある、木版で大蔵経を印刷するデルゲパルカン(印経院)についての詳細な報告。カラー写真も豊富。

『ヒマラヤの東―雲南・四川、東南チベット、ミャンマー北部の山と谷』
中村 保/著
山と渓谷社 ISBN4635280373 1996/03
カムのうち四川省、雲南省方面の詳細な踏査報告。この(マイナーな)エリアだけで本が出るなんて考えられなかった時期だけに画期的だった。登山家なだけに地形へのこだわりが際立つ。

『深い浸食の国―ヒマラヤの東 地図の空白部を行く』
中村 保/著
山と渓谷社 ISBN4635280381 2000/11
上記『ヒマラヤの東』に続く作品。前作とエリアはほぼ同じだが、踏査ルートは異なる。梅里雪山1周など。能海寛の足跡も追っている。

 ラサ

『ラサの21世紀』(雑誌「旅行人」2006年夏号)
長田幸康他

旅行人 ISBNB000JLTSRQ 2006/07

青海チベット鉄道開通直前、伝統と中国化が交錯するラサの街と人をルポ


 アムド(東北チベット)

『アムド山旅―青海高原の風土と祭り』
竹内 康之/著 京都山の会/編

京都山の会出版部 ISBN4888481830 1992/10
アムドのレプコン(青海省黄南州)周辺の衣食住、祭りや聖地、高山植物などを調べたフィールドワークの報告。アムドだけで1冊本が出ているのは、日本ではこれのみだと思う。

 ギャロン(ギャルモロン、嘉絨)

『チャン族と四川チベット族―中国青蔵高原東部の少数民族』
松岡正子/著

ゆまに書房 ISBN4843300330 2000/09
チベット高原が四川盆地に出会う峡谷地帯に住むチャン族とギャロン・チベット族についてのフィールドワークの記録。貴重です!

 インドなどヒマラヤ地域のチベット文化圏

『東ヒマラヤ山麓を訪ねて―シッキム・ダージリン・カリンポンの生活と文化』
山下幸一・雨宮智子/著
朱鷺書房 ISBN412203938X 2004/04
古くからチベット文化の影響下にあった東北インドのダージリン、カリンポン、チベット系の王国だったシッキムを本格的に紹介(国内の一般書ではたぶん初めて)。歴史、文化の解説はもちろん、旅行ガイドとしても役立ちそう。

『インドヒマラヤのチベット世界―「女神の園」の民族誌』
棚瀬慈郎/著
明石書店 ISBN4750315044 2001/11
北インドのラホール地方でのフィールドワーク(カルダン村での住み込み調査)の記録。ベユル(隠れ里)についての記述も興味深い。

『風の記憶 ヒマラヤの谷に生きる人々』
貞兼綾子/著
春秋社 ISBN4393191072 2007/10
かれこれ三十数年にわたってヒマラヤの人々とつきあってきたチベット学者がついに書いた、ランタン谷をはじめとするネパール・ヒマラヤのチベット系民族のありのままの姿。叙情的すぎず学術的すぎない、バランスのとれた自伝的記録です。
関連サイト→ランタンプラン